新しい人が増える

このところ新しい人が入っていなかったのだが、去年の12月くらいからなぜかどっと来て、4人新しい人が登場した。教室を金曜日も開設し、もっぱら初心者向きのクラスとしている。一人は武術経験者なので、楊式は初めてだが、土曜日でやってもらうことになった。金、土と3人ずつになったが、ここでは最大限4人までと考えている。多人数でやっても表層しかできないと思えるので。

武術経験者の人が来たので対人練習を多めに取り入れることになった。これまでは型の練習だけだったということなので、最初は、どうしても体が接触した部分に意識が持っていかれる。意識がそこに飛ぶのは人間の本能だからやむを得ないが、そこからどれだけ早く中心に戻れるかが、練習のしどころだろう。

「天の軸」とは何であったか

この前、中野由哲氏と菊野氏の動画にヒントを得たというという話を書いた。
その「自分の中心とつながるライン」というアイデアに刺激を受けたが、最近、「もしかしてあれもそうなのか」と気がついたことがある。

それは、真北斐図さんの『太極拳のヒミツ』という本に書いてあった「天の軸」という概念だ。
これまでなんのことかピンとこなかったのだが、その動画に照らし合わせてみたら、「そういうことか」と思ったのである。
天の軸とは、自分の中心とつながるラインなのだ。

これを体感的に理解するためには「エネルギー的に中心軸を合わせる」ということがわからなくてはならない。
たとえば自分の前に人が立っているとする。その人の中心軸と自分の中心軸をぴったりと合わせる。このマッチングによってエネルギーの変化が起こって、その相手は自然と脱力してしまう。要は「合気」の原理で、白石さんなら「中心帰納」というところだが、これを前提としてはじめて「天の軸」も理解できる。

自分の外側にエネルギー的な垂直なラインを見て、そのラインに自分を合わせれば、すごい気の状態に入ることができる。高岡英夫氏が言っていたセンターというのもこういうことなんですよね、とも思った。本当に突き抜けている状態になるのだ。

真北さんの本には書いてないが、高岡さんの言うようにシルバーのラインで見ると効果的だった。さらにこれは棒というよりは光と見たほうがよい。スリット状に空間が割れているラインと思ってもいい。その裂け目にむけてぐわっと吸い込まれていくようにイメージするとまたすごいことになる。

これは外側の軸に一致しているようにイメージしているが、実は自分のエネルギー的な軸を通していることになる。

そうか、武術的にも、相手の人間は関係なく、ただこれに一致することだけ考えればいい、という古来の教えは正しかったのだな、とも感じた。

太極拳を打つ場合にも、型の完成へ向けて、このラインを前に見てそこから引っ張られるようにやっていくことをお勧めしたい。


*あくまで個人的探究の結果をシェアしたものです。効果には個人差があります。

どうすれば「気が通っている」とわかるのか

3月から、新しい人が一気に2人も増えた。それも、2人ともすでに「気」がある程度わかっている人で、気の練習にも簡単についてこれる。最初からやったら一、二年かかるレベルからスタートできているのは大したものだ。

それに対応して水曜日にも時々クラスを開催することになった。

さて、どのようにすれば気を通せるのかについての研究は最近また着実に前進している。
そのうち一つについてここで書いておこう。

まず「どうしたら、自分が気を通せているかわかるのか」ということだが、答えは簡単だ。
「丹田が充実してくるか」ということに尽きる。
太極拳の型をやったときに、その型の完成に近づくにつれて、ぐぐっと、どんどんと丹田部の張りが強くなっていくかだ。これは丹田に中に玉があって、その玉が膨張して内側からの圧がかかっていくと言い換えてもいい。
こういう状態になると、自然と動作がゆっくりになっていく。

両手を話したり近づけたりする「開合」という気功の動作がある。気が入っていると、両てのひらを近づけていくとそこに反発力が生じて(磁石の同じ極どうしを近づけるときと同様)、だんだんと動かしにくくなっていく。
それと、太極拳の型が完成へ向けてゆっくりになっていくのは、全く同じことなのだ。気の張りが強くなるので、ゆっくりにならざるをえないのだ。なんの抵抗力もなくスカーンと動いてしまうのは、気が通っていないからなのだ。
太極拳の型に開合があるというのは、両手を開合するのと同じ原理なのである。丹田の充実が伴わなければ、相手を動かす勁が出てこない。

では、どうしたら丹田が充実、張ってくるような感じにできるかということだが、それについてもいろいろノウハウが蓄積してきた。稽古場では惜しみなく教えているが、文章にするとどれだけ伝わるか心もとない。最近、よいイメージ法を発見したので、「秘伝」と称してみんなに教えたら、全く違ってくるとみな言っていた。

ともあれ、丹田に気が張ってくる感覚が重要だということだ。それは経験すればわかるので、よくわからないという人は、多分気がそれほど動いていないということだと理解したほうがいい。



三尖相照のラインに引っ張られる意識

さらにこちらの動画。
なるほど! 三尖相照のラインを意識することで自分軸を保ちつつ、かつ手を出していく方向はそれとは同じではない、ということだった。高度なことだが、大変面白い。
そのラインに引っ張られる感覚で動くのか。
中野師も進化発展していますね😊



DVD『太極拳の実践力』の紹介

DVD『太極拳の実践力』の紹介。この人は北京で馮志強から陳式心意混元太極拳を深く学んでいる。
気を作用させて武術にも使うことができるという本来の太極拳を体得した日本人には数少ない中の一人であろう。

この太極拳の特徴は「混元球」を体内で動かしそれに基づいて動くことにある。
これは成田伝合気道(白石氏の無元塾)の「円転」とも同じことだと思われる。

これはイメージだけの話ではなく、実際に丹田部分に気の玉があることが感じられるものだ。内側から外に張り出すような張力を感じる。同時に横隔膜、骨盤底筋群、腹横筋などのインナーマッスルも働くので内からと外からの力が拮抗する状態になることが、最も気がよく出る状態である(これはDVDで言っているわけではなく私のこれまでの経験からの理解)。

三種の勁について語っている。
・明勁  筋力的な力を気によって強化したもの。
・暗勁  ほとんど触れているだけで作用させる。
・霊勁  まったく触れないで作用させる。空間を変える。

これはスコット・メレディスが言っている意味とは異なるので注意されたい。

勁のことを全く気にしない制定拳の流派などもあるが、伝統拳であっても、明勁までしかやってないところが多いと思う。かく言う私が習った伝統拳も、明勁しか教えてくれなかった。私は西野流呼吸法から気の世界に入っているから暗勁や霊勁の世界があることを明確に知っていて、それを太極拳で表現することを求めていたのだが、どうやら堀師の会にはそれがあるようである。

いちおう私も練習会では暗勁や霊勁をやれてはいると思う。私の感覚ではこの2つは大した違いはない。どちらでも同じことである。これをやるには意識の使い方が問題となってきて、空間全体と一体化する感覚が必要となる。

DVDの後半はいろいろな実戦手法が紹介されている。これはBABジャパンの顧客層の関心に対応してのことだろう。私は気の世界には興味があるが正直「攻防手法」にはあまり関心がないのであった。ある程度まで気がわかったら、最重要事項はこの前紹介した中野氏の動画にある通りで、相手と一切戦わず自分の中心に入ることがいかなる場合にもできるか、それしかないのである。それさえできればよい、というのが現在の私の理解である。

中野由哲先生の動画を見て

去年の年末に出ていたらしいが、武術家の菊野さんが中野由哲先生に教わるという動画2つを見た。

これが大変おもしろい内容。参考になりまくりである。中野先生の動画はほとんど見たのだが、新たに気づいたところが満載! 菊野さんも真摯に学んでいる姿勢で気持ちがよい。

特に印象に残った部分は、

・不安定の中の安定 浮く感じの立ち姿勢を指導していて、「スキーのジャンプみたいだな」と思ったらその後すぐ菊野さんも同じことを言った。実際、普通に立つより虚歩のほうがより気の作用が強くなることには気づいていた。それを、不安定になる「際」のところという表現が理解しやすかった。

・自分からエネルギーを出すときは「ゲロを吐く感覚」 言われてみればそうだがなかなかその表現は思いつかない😅 まさに「緩みながら出していく」という感覚を再現しやすいイメージだった。

・相手ではなく、自分がつながるところを見つけて吸い込まれていく これも感心した表現。このイメージで練習してみたい。空間の中に自分と一致できるエネルギーラインがあるのでそれを見つける、という意味に理解した。相当に高度な話であるが。

2つを見て中野先生の言語化の見事さを感じたが、言語化できるということは再現可能になっているということ。

別に比較することに意味はないが、弟子にはまったく言語化した形を残さなかった某有名武術家よりも、彼のような存在のほうが貴重なのでは、とも思う。

もう一つ印象に残ったのは、YouTubeでのコメントがみな好意的だったこと。

この種の動画は、やらせだとか、不信の輩のコメントが来ることも多いが(アマゾンのレビューなどにも見かける)、そういうのはなく、リスペクトあるのみというものばかりだ。これは時代の変化なのかもしれない。






『合気脳で達人!』について

最近眼にした、なかなかよいものを紹介。


これは白石さんの無元塾で学んでいる人の本で、「中心帰納」についていろいろ書いていて興味深い。
意識使いを中心としている。
無元塾は習う人ができるようになる稽古体系を確立しているところが素晴らしいと思う。
日本の武術では、植芝盛平でも佐川幸義でも、本人はすごくても、その技を弟子に伝えることはできていない。合気道が形骸化しているのも、結局は稽古体系を植芝が作らなかったからだ。佐川を崇める人も多いが、後世に伝える稽古システムを残さなかったという点では、そこまで評価すべきものか。中国武術にはちゃんと稽古体系がある。日本ではそれをあまりに神秘化しすぎて秘伝とされ、一般には教えないという状況が続いていた。こう言ってはなんだが、たかだか「触れずに気で人を動かす」程度のことは練習のやり方さえわかって数年やれば誰でもできることで、別に特別にすごいことではないのだ。

この本では意識にフォーカスしているのだが、実は、これが成り立つには意識とともに「精妙なる身体操作」が組み合わさっている必要がある。その部分はこの本には書いていない。実際の稽古にはたぶんあるのだろうが。
精妙なる身体操作というのは、全身連動して体を使うために、日常動作とは異なる原理で動くことを学ぶという意味である。
また、無元塾ではあまり「気」について言っていないようである。「気」は一つのコンセプトであるのでそれを使わずにも同じことはできるのだろう。でもやはり「気の文化」という蓄積というものがあり、それを使ったほうが入りやすい部分もあるだろうと思う。

しかしともあれ、この本に出ている「深部感覚」は重要ポイントなので、この方面に関心のある人には必読の書だと思う。

達人に内功を習う

最近、文章を書くのがちょっと億劫になってきて(スマホで音声入力などに慣れて、タイピングが面倒になってきてるかもしれません)、久々の記事になってしまうんですが、いろいろ書くことがたまってきているので、暇を見て入れていこうかと思います。

ちょっと前から、太極拳の達人とコンタクトがあって、まず内功から習い始めました。
陳式心意混元太極拳の名を聞いたことがあるかもしれません。その流派に伝わる混元気功をオンラインで習うことにしました。便利な時代になったものです。
かの馮志強の直伝弟子の方です。いろいろ太極拳の話も聞けます。

丹田に氣のボール

久々の投稿である。
最近、新しい人は入っていないが、前から継続している人は、ものすごく氣のレベルが上がっている。
しばらく練習していると部屋がすごい氣で充満している感じになる。
たぶん、何もしなくてもこの部屋にいるだけで氣のシャワーを浴びることができるだろう。
最近、何をしているのかというと、「丹田の充実」に特に取り組んでいる。
丹田あたりに内圧をかけるということだ。インナーマッスルを動員して。
丹田あたりに内側から膨張する氣のボールを想像して、そのボールをいろんな方向に回していく。
これがかなり強力なのだ。
内圧ができると、自然と手足に余分な力が入らなくなる。
丹田の内圧に、手足を螺旋の原理で動かすことを組み合わせると、自然にエネルギーが流れる感じとなる。

「太極拳は高度な気功である」という考えでやってきたが、最近はそれをある程度実践できている。
たしかに初心者には難しいが、部屋にいるだけでも氣を浴びるので、上達は早いと思う。

書いていない間にいろいろ良い本とかDVDも見たので、またそれについて書いてみたい。

JIDAIさんの三冊

身体感覚についての洞察を語る本として、私が最近愛読しているのが、パフォーミングアーティストのJIDAIさんの書いた3冊である。『筋力を超えた「張力」で動く!』『「動き」の天才になる!』『再創造する天性の「動き」!』だ。
いずれも、天才の人ができてしまっている身体感覚の世界を言語化してそこに到達しやすくするというコンセプトで書かれている。つまり達人への道だ。これまで、達人は自分の経験を言語化することができず弟子に教えることができなかったということが多かった(ある種の武術ではわざと教えないこともあるが、教えたくても教えようがないということもあったと思われる)。

特に「身体にエネルギーを通す」という基本コンセプトなので、これは太極拳(本格的なもの)のために書かれているようなものでもあるのだ。教える側にも参考になるようなことが書いてある。

この三冊を熟読すると多くのことが得られる。目下の私の研究テーマとの関連でいうと、「空間」の変容ということも語られている。

周囲の空間と一体化すること、そのために「目」を使うこととか、空間を動かして相手と一体化してしまう、など、武術そのものですねという感じだ。二冊目の『「動き」の天才になる!』がわかりやすいかなあ。一冊目の「張力」は、中国武術で言う「十字勁」と同じこと。二冊目には、螺旋や空間を動かす原理などが書かれていて面白い。三冊目はさらに進むので高度になってきて、私も今研究中である。

また詳しく書いてみる予定。


プロフィール

晴

Author:晴
長岡市の稽古場はこちら
決して達人ではありませんが、世の中の太極拳があまりに形ばかりのものが多すぎるので、何がしかの意味があろうかと思い稽古場を開設しています。気功を30年以上修練しています。(写真は筆者ではありません。鄭曼青です)

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